社長就任のごあいさつ
この度、株式会社トスカバノックの社長に就任致しました、照沼昌雄でございます。
私は、トスカバノックの前身である㈱日本バノックに、1985年に入社し、営業一筋で従事してまいりました。これまで長きにわたり多くの方々と出会い、様々な学びを受けたことが、このようなポジションに就かせていただいた大きな要因だとおもっております。 これまでの皆様のご厚情に感謝申し上げます。
皆様から受けたご恩をこれから先、どのような形でお返しすることが望ましいかと考えました。 数々の方法がある中、私の出した結論としては、トスカバノックという企業が未来永劫、発展・成長を続けることが皆様に対しての最大の恩返しに繋がることと考えました。 そのために大きく3つの目標を掲げ、皆様と更なる信頼関係を築けるよう、強い決意を持って取り組んでまいります。
①糸LOXシリーズの創意工夫と市場拡大 自社工場で生産する糸LOXシリーズは皆様のご愛顧を賜ることで、ここ数年の間に当社取り扱い製品の中でナンバーワン商品として成長させていただきました。企業イメージ・ブランドイメージの向上が図れる品揃えを更に充実させ、スピードと安定性を兼ね備えたツールをご提案し、必要不可欠な商品となるべく取り組んでまいります。
②バノックシリーズを活かした新市場の獲得 【バノックガン】という製品は、私が日本バノックに入社する20年ほど前からスタートした商品で、モデルチェンジを繰り返し50年以上の長きにわたり、アパレル業界を中心に自動車・家電等、様々な業界でご使用いただいている、今日のトスカバノックの礎となる商品であります。 ちなみに【バノック】の言葉の由来は【万能につく】でございます。 今後においてもこのファクターを念頭に置き、長きにわたり改善・改良を繰り返してきたバノックガンのコアな機能を活かすと共に、付随するピンの素材・形状を工夫することで、新しい市場の獲得を目指すべく取り組んでまいります。
③SDGsへの取り組み SDGsが目指す「世代を超えて、すべての人が自分らしくよく生きられる社会」の世界観に共感し、親会社である株式会社TSIホールディングスと共に取り組みを進めてまいります。 弊社はプラスチック製品メーカーとして20年以上前から環境に配慮した製品開発を進めてまいりましたが、TSIホールディングスが定めるマテリアリティの中でも特に『地球環境』について積極的に取り組む所存です。 プラスチック製品の製造において、必要十分な製品性能を維持しながら、2030年までに使用する原材料の50%を環境配慮型材料に切り替えることを目標に、石油由来の二酸化炭素の増加量を削減してまいります。 製品の輸送において、日本国内の物流拠点の見直し、また弊社の強みともいえるベトナム・中国の海外拠点も活かした地産地消と現地供給の体制を強化し、輸送時に発生する二酸化炭素の削減に取り組んでまいります。
この3つの目標を達成することが、皆様に対しての最大の恩返しに繋がることと肝に銘じ、微力ながら精一杯取り組んでまいります。
これまで以上に、ご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
2023年4月1日
代表取締役社長
照沼 昌雄
開発・技術
特異で独特な技術
トスカバノックは『付ける』『むすぶ』『標示する』樹脂製品を生み出し続け、
その度に特異で独自性の高い技術を開発し続けてきました。
その核になるのは以下で、アパレル業界の副資材メーカーでは世界トップのブランドとして認知されている【Bano'k】の歴史50年の根幹に当たる要素です。
近年は、その核からの発展性を求めて、スーパーエンプラであるPEEK樹脂やバイオエンプラ・生分解性樹脂などの採用に向けた開発や試作の取り組みを積極的に推進しています。
金型内延伸
溶解した樹脂を金型の中に射出し、樹脂が固化する前に金型の中で延伸します。
延伸すると分子の配向が進み、長く・細く・しなやかになりながら引張強度が上がります。
ポリ袋などでも一般的な延伸技術ですが、射出成型でかつ金型内で対応できるのは当社オリジナルで省コスト化に貢献します。
多数個取り
一つの金型で製品がいくつ取れるか、1度の射出でいくつの成形品ができるか、射出成型のコストダウンの大きなポイントです。
単純に多くのキャビティを持てば良いわけではなく、樹脂の流動性や成形条件の管理など安定した量産性を確保するには高度なノウハウが必要です。
副資材のコストを追及し続ける弊社だからこそのオリジナル技術を保有しています。
インサート成形
硬くて寸法も安定している金属部品などのインサート成形は一般的ですが、弊社は柔軟で太さの安定しない糸や紐のインサート成形技術を確立しました。
樹脂にはない特長や性質を活かしながら樹脂の持つ機能と両立し、組立工程の合理化などのコスト面での付加価値にも貢献します。
特殊金型
抜き勾配が0度のらせんカムや樹脂バネなど、特殊な形状の成形にも多くの実績があります。
他社では困難な新規開発や新しい商品価値の創造につながる商品を生み出します。
ものづくり拠点:三芳工場
開発拠点として設立された三芳工場は、試作だけでなく量産にも対応しながら組立ラインも持つなど一貫した体制が構築されました。
主にアパレル業界向けの副資材を量産しており、コスト削減と品質確保の両立を実現しながら、さらなるお客様への貢献を目指した取り組みを進めております。近年の具体例としては、専用の取出機を活用した省力化や組立て工程の無人化に向けて簡易ロボットの開発などにも積極的に注力しています。
医療業界や宇宙開発に関わる成形品はスーパーエンプラと呼ばれるPEEK樹脂を活用していますが、試作開発の時点では”トライ&エラー”を繰り返しています。
特殊な用途でこそPEEK樹脂の特長が生かせますが、特殊であるが故に新たなノウハウの蓄積も課題としております。
商品の歴史
トスカバノックのオリジナルブランド【Bano'k】は50年の歴史を迎え、今なお変化と成長を追い求めています。
【Bano'k】(バノック)は、”万能でよくつく”に由来します。
それは、「付ける」「むすぶ」「標示する」をキーワードに標示・取付け・結束・仮止めの用途で『誰でも、容易に、何でもしっかり取り付ける』を意味しているのです。
また、【Bano'k】商品群はアパレル業界の副資材ブランドとしては最も古い老舗ブランドのひとつであり、業界内では世界トップの品質を維持し、世界的に名が知られております。
その用途は広がりを見せ、30年にわたる自動車産業での実績はもとより医療業界や宇宙開発の分野でも採用されております。
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1967年
タグガン『Bano'k101』シリーズ
└世界初のピストル型タグガン
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1971年
タグガン『Bano'k102X』
└金属部品を樹脂に変更した軽量化モデル
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1972年
タグガン『Bano'k101』シリーズ
└タグガンの世界標準のモデル
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1976年
タグピン『U ピン』シリーズ
└タグピンの生産性の革新を果たした初代密接ピン
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1977年
ループ型ファスナー『LOX』
└ナイロン製で、挿入の方向性を無くし作業性を改善
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1980年
V型ファスナー『V-LOX』
└タグの表面が正面を向くようにタグ付け管理が可能
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1982年
タグガン『Bano'k203』シリーズ
1.2mmピッチ密接ピン 開発└ Uピン対応のフリーピッチ方式を採用
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1985年
卓上型タグガン『エアバノック』
└タグの多量作業に対応したエア駆動型の自動機
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1993年
フック付きファスナー『フックLOX』
└チラシ・アンケート用紙吊り下げに対応
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1996年
タグガン『Bano'k303』シリーズ
└小型軽量化が作業効率を上げ、Bano'k史上最大ヒット
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1998年
糸のループ型ファスナー『糸LOX』
└ 世界で初めてループ型ファスナーに糸の高級感を付与
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2000年
極細タグガン『Bano'k303Z』
└世界初の極細針を採用して、繊細な商品にも対応
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2002年
ループ型ファスナー用ハンドツール『FasBano'k101』
専用ループ型ファスナー『Fasloop』└作業効率を大幅に改善させるループ用取付ツール
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2003年
糸のループ型ファスナー『Fas糸loop』
└糸LOXをハンドツールで取り付ける副資材
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2009年
タグガン『Bano'k503』シリーズ
└サブランナーの後方排出によって作業性・信頼性を向上
ブランディング糸LOX『Bm-LOX』シリーズ
└糸LOXにブランドマークを加えて付加価値の向上に貢献
ブランディングピン『Bm-pin』シリーズ
└タグピンに印刷部を設けて視認性が向上し情報伝達ツールとして拡販
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2013年
病理検体管理ツール『Bano'k503MZ』『タグピンMZ』
└病理検体の検査工程の安全性・取り違え事故防止に対応
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2014年
病理検体管理ツール『Bano'k503MZ-ⅡM』『セットピンMZ-Ⅱ』
└初号機の課題を解決して更なる安全性の向上
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2019年
環境に配慮した『BIO(バイオ)糸LOX』シリーズ
└綿・麻の天然糸と生分解性樹脂を組み合わせた機能性商品
沿革
株式会社トスカ
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株式会社日本バノック
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1968(昭和43年)
前身の株式会社東京スタイル開発課が値札用タグピンの開発製造 |
1967(昭和42年)
(株)日本バノック商会 設立 ピストル型タグガン『Bano'k 101』開発 /世界初 |
1976(昭和51年)
株式会社トスカ設立(東京スタイルより分社化) |
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1982(昭和57年)
密接ピン1.2㎜ピッチ開発 /世界初 |
1968(昭和43年)
値札用タグピンとタグガンの総販売元として販売開始 |
1977(昭和52年)
ループ型ファスナー『LOX』販売 |
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1993(平成5年)
フック付ループ型ファスナー『フックLOX』開発 /世界初 |
1982(昭和57年)
(株)日本バノックに社名変更 |
1995(平成7年)
研究開発工場として、(株)メックモールドを設立 |
1996(平成8年)
Bano’k 303シリーズ販売開始 |
1998(平成10年)
ループ型糸ファスナー『糸LOX』量産開始 /世界初 |
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2002(平成14年)
ループ型ファスナー用ハンドツール『FasBano'k101』専用ループ『ファスループ』開発/世界初 |
2004(平成16年)
糸LOX-R販売開始 |
2003(平成15年)
フィラメントを糸にした『Fas糸loop』開発 /世界初 |
2009(平成21年)
タグガンBano’k 503販売開始 |
2009(平成21年)
ブランディングソリューションBmシリーズ開発 |
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2011(平成23年)
(株)TSIホールディングスのグループ企業となる |
2013(平成25年)
(株)トスカと(株)日本バノックが合併し、(株)トスカバノックが発足 病理検体管理ツールBano’k503MZ、TAGPIN-MZ販売開始 宇宙航空研究開発機構 JAXAと共同研究の開発プロジェクトを開始 |
2014(平成26年)
ベトナム・ホーチミンに販売子会社VAN NANG BANOK COMPANY LIMITEDを設立 |
2019(令和元年)
(株)トスカバノックが(株)メックモールドを吸収合併し、三芳工場とする |
会社概要
商号 | 株式会社トスカバノック |
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英語名 | Toska‐Bano’k Co., Ltd. |
本社所在地 | 〒101-0042 東京都千代田区神田東松下町14番地 東信神田THビル7階TEL. 03-6821-7991(代) FAX. 03-6821-7996(代) |
設立 | 1976年(昭和51年) 9月1日
※ 2013年(平成25年) 3月1日よりトスカバノックとして発足 |
資本金 | 2,000万円 |
役員(2023年10月1日現在) |
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従業員数 | 50名(2023年10月1日現在) |
連結決算 | (株)TSIホールディングスグループ |
主要取引銀行 | 三菱UFJ銀行 神田支店 |
事業内容 | 合成樹脂関連製品の開発・製造・販売 |
取扱商品 |
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主要販売先 | ㈱シモジマ、オカベマーキングシステム㈱、他 |
主要仕入先 | ㈱三洋製作所、㈱金子製作所、他 |
事業拠点
東京本社
〒101-0042 東京都千代田区神田東松下町14番地東信神田THビル7階
TEL. 03-6821-7992FAX. 03-6821-7996
東京営業所 | 日本国内・名古屋以東を担当しています |
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海外営業 | 北中南米・中東・欧州・アジア一部を担当しています ⇒海外営業の取組み |
開発部 | 商品の企画~開発~評価・検証~品証まで一貫した体制を整えています |
総務財務人事部 | 事務所・工場・物流センター、各拠点をまとめています |
大阪営業所
〒541-0052 大阪府大阪市中央区安土町1丁目6番14号朝日生命辰野ビル5階
TEL. 06-6260-2222FAX. 06-6260-2225
大阪営業所 | 日本国内・名古屋以西を担当しています |
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三芳工場
〒354-0043 埼玉県入間郡三芳町竹間沢32-3
TEL. 049-259-6660FAX. 049-259-6621
生産管理部 | 生産予定・納期調整だけでなく品質管理も担っています |
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製造部 | 日常の安定生産だけでなく、無人化の取り組みなど挑戦を繰り返します |
三芳物流センター
〒354-0043 埼玉県入間郡三芳町竹間沢32-1
TEL. 049-259-2999FAX. 049-259-2997
物流・業務部 | 受発注管理から入出庫管理など物流に関わる全業務を担っています |
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上海巴托服饰辅料有限公司/Shanghai Bano'k Co.,Ltd. [中国販売会社]
中国の営業拠点であり、現地倉庫に在庫を持ち早期出荷に対応しています。
商号 | 上海巴托服饰辅料有限公司 |
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所在地 | 中華人民共和国上海市松江区伴亭路488号4幢506室 |
設立 | 2019年6月 |
資本金 | 900万元 |
従業員数 | 14名 |
事業内容 | 吊牌用扣件,塑料制品的批发 |
Webサイト | http://www.sh-banok.com.cn(準備中) |
info@sh-banok.com.cn(準備中) | |
電話番号 | +86-21-5282-6203 |
FAX番号 | +86-21-6260-9538 |
VAN NANG BANOK COMPANY LIMITED [ベトナム販売会社]
ASEAN地区の営業拠点であり、協力成形工場を持ち生産から出荷まで対応しています。
商号 | VAN NANG BANOK COMPANY LIMITED |
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所在地 | 1/15 & 1/17 Tran Binh Trong Str, Ward 5, Binh Thanh Dist, HCMC, VN |
設立 | 2014年7月 |
資本金 | 30万ドル |
従業員数 | 5名 |
事業内容 | アパレル向け服飾資材商品群およびプラスチック用金型の輸出入、卸、小売業 |
Webサイト | http://www.vannang-banok.com |
vannang_banok@vannang-banok.com | |
電話番号 | +84-28-3515-7095 |
FAX番号 | +84-28-3550-1452 |
海外への取り組み
トスカバノックの製品は、長年に渡りブランドとして、世界中で選ばれています。
より多くの多種多様な分野のお客様にご活用いただくために、我々は充実したサービスとサポートの提供に努めています。
- ユーザーのニーズに合わせた製品販売
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それぞれの分野で求められる製品を独自の技術とノウハウで開発し、販売しています。
特に作業効率UPに繋がるツール類については、海外でも採用実績多数、高い評価を得ています。 - 環境に配慮/適合した製品展開
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生分解樹脂や天然素材等、環境に配慮した製品、また、特殊環境に適合した製品の開発にも積極的に取り組んでいます。
- グレード別製品展開
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様々な地域・市場で使用いただけるよう、価格帯の異なるグレード別の製品展開も一部、ご用意しています。
- 安心・安全の日本品質
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生産工場が国内/海外に関わらず、日本品質をベースにしているので、安心・安全にご使用いただけます。
- 各種基準/規制/認証/協定等への対応
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環境規制(REACH/RoHS etc.) 、安全基準(CEマーク etc.)、ISO認証、貿易協定 等、ご要望に応じた対応に努めています。
- 世界各地に代理店を設置
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どこからでも弊社製品を容易に購入いただけるよう世界各地に代理店を設置していますので、お近くの代理店をご紹介いたします。未設置地域には、需要/将来性を考慮しながら新設の検討を進めております。
近年、ベトナムに新たに子会社を設立致しました。ここではアセアン地区をカバーしております。
弊社製品は、まだまだ、用途拡大の可能性を大いに秘めております。